見積・契約基本条件
アズビルトレーディング株式会社
はじめに
本基本条件は、当社が引き合いいただきました製品(以下「本製品」といいます)、本製品により構成されるシステム(以下「本システム」といいます)および役務(以下「本役務」といいます)に適用され、その見積および契約に関わる基本条件を規定するものです。見積書、見積仕様書、契約書、基本仕様書、取扱説明書、カタログ、SS(スペックシート)、および詳細仕様書などに記載されていない事項については、本基本条件を適用いたします。
第1章 総則
1.1 適用範囲
本章は別途見積書、見積仕様書、契約書、基本仕様書、取扱説明書、カタログ、SS(スペックシート)、および詳細仕様書等で定めのない限り、本製品、本システムおよび本役務のすべてに適用されます。
1.2 製品区分と役務区分とシステム区分
1.2.1 製品区分
a) 当社標準製品
①当社標準ハードウェア製品としての、感圧スイッチシリーズ、FRS100用ベースユニット・AUR300C/AUR350C用ベースユニット、サーモグラフィ良否判定システムK1Tのハードウェア、床暖房リレーボックス、および当社が販売するアズビル株式会社のハードウェア製品、ならびに②当社標準ソフトウェア製品としての、良否判定システムK1Tのソフトウェア、および当社が販売するアズビル株式会社のソフトウェア製品に分類されます。
b) 顧客仕様製品
顧客仕様製品とは、a)当社標準製品のうち、当社が販売するアズビル株式会社のハードウェア製品、ならびに当社が販売するアズビル株式会社のソフトウェア製品を除いたものに対して、貴社に承認いただいた当社作成の仕様書に基づき当社が製作するものです。顧客仕様製品は「顧客仕様ハードウェア製品」と「顧客仕様ソフトウェア製品」に分類されます。下記の場合、顧客仕様製品に含まれることとなりますが、これらに限定されません。
当社標準ハードウェア製品ならびに当社標準ソフトウェア製品に対し、
- 標準工程と異なる工程(特殊な洗浄・熱処理・塗装等)による製作を依頼された場合。
- 改造による製作を依頼された場合。
- 新たな工程が発生する当社標準製品の組み合わせを依頼された場合。
c) 提携製品
提携製品とは、下記d)の購入品のうち、当社が製品の供給者または使用許諾者(ライセンサー)との間でエンジニアリングや保守・保証などの便宜を別途提携している製品です。
d) 購入品
購入品とは、貴社が承認した当社作成の仕様書に基づき当社が選定・納入する第三者製のハードウェア製品およびソフトウェア製品であり、いずれの場合も1.2.1a) 当社標準製品、b)顧客仕様製品、c)提携製品ならびに1.2.3本システムに組み合わされるものをいいます。
e) 購入代行品
購入代行品とは、貴社が選定された第三者製のハードウェア製品およびソフトウェア製品であり、貴社の指示により当社が購入を代行するものです。なお1.2.1a)当社標準製品、b)顧客仕様製品、c)提携製品および、1.2.3本システムに組み合わされることはありません。
f) 貴社支給品
貴社支給品とは、貴社が承認した当社作成の仕様書に基づき本システムの構築ならびに1.2.2g)保守サービスのために、貴社より当社へ無償で支給される当社が承認したハードウェア製品およびソフトウェア製品をいいます。
1.2.2 役務区分
当社が実施する本役務を次のように区分いたします。
a)エンジニアリング、b)工事、c)試運転調整、
d)コンサルティング、e)技術支援、f)トレーニング、g)保守サービス
それぞれの役務の内容は第2章「役務」に記載いたします。
1.2.3 システム区分
貴社が承認した当社作成の仕様書に基づき、1.2.2a)エンジニアリング、ならびに本製品により構築される本システムをいいます。
1.3 要求仕様
本製品および本システムについての要求仕様は、貴社に定義または確定していただきます。要求仕様は購入仕様書、要求仕様書などとして当社へ提出していただきます。なお、当社は、貴社提示の要求仕様が本製品および本システムに関わる見積仕様作成に不十分と判断される場合、当社の選択もしくは貴社の要求に基づき、要求仕様書作成の支援をするため「コンサルティング」役務を見積に含めさせていただくか、別途「コンサルティング」を見積いたします。また、「コンサルティング」により要求仕様が再確定した時点で、双方は見積金額および取引条件を含む見積内容の見直しを行うものとします。
要求仕様書等における使用言語は、日本語とします。要求仕様書等の他の言語から日本語への翻訳は、貴社の責任と費用により行っていただきます。また、要求仕様書が電子媒体である場合の当社指定フォーマットへの変換も、これと同様とします。
1.4 見積
当社は、貴社提示の要求仕様に基づき、仕様・金額・納期その他の条件を記載した見積書を提出いたします。
1.4.1 見積有効期限
見積段階での当社提案の仕様書を見積仕様書といいます。ただし、最新の見積仕様書のみが有効となります。見積有効期限は、別途記載がない限り、見積書発行日より30日間といたします。
1.4.2 見積基準の変動
原材料の価格・工賃などが不測の事態の発生により著しく変動した場合、契約後であっても、価格・納期その他の条件を変更させていただくことがあります。
1.4.3 納期の定義
納期とは、本製品および本システムを貴社指定場所に納入すべき期日または役務を完了すべき期日または期間をいいます。
1.4.4 消費税の扱い
本製品および本システムの見積書に記載される金額には、別途記載のない限り消費税は含まれておりません。この場合、見積金額に消費税相当額を加算して発注いただきます。
1.5 契約の成立
個別の契約は、貴社注文書に対して当社が発行する注文請書が貴社に到達した時点で成立するものとします。また注文書受領後当社が受注諾否の通知を発送しない場合は、注文書受領後2週間経過時に契約が成立したものとします。
1.6 契約内容の確定手順と解約
仕様および金額・納期などの取引内容の確定は、貴社と当社が合意した役割分担およびスケジュールに従い、次の手順により行います。
1.6.1 窓口の一元化
貴社および当社は、本製品、本システムならびに本役務に関わる契約履行のための連絡・確認を行う主担当者をそれぞれ一名ずつあらかじめ定め、書面をもって相手方に通知するものとします。貴社および当社は、相手方からの要請・指示などの受理、相手方への依頼等を行う場合、この主担当者を通じてのみ行うものとします。なお、主担当者の変更があった場合には、直ちに相手方に対して、書面をもって通知するものとします。
1.6.2 役割分担
貴社および当社は本製品、本システムならびに本役務に関わる契約履行に必要な体制を確立するものとし、双方がそれぞれ行うべき作業および双方が共同で行うべき作業範囲を書面により合意し、その役割分担を遂行するものとします。なお、貴社の分担役務の遅延および不履行により、納期の遅延、追加作業・費用などが発生した場合、その結果生じる全ての損害について当社はその責を免れるとともに、対応に要した当社の費用を貴社に別途請求させていただくことがあります。
1.6.3 基本仕様の確定
当社は、1.4.1における最新の見積仕様書をもとに、貴社との打ち合わせにより仕様の確定を行い基本仕様書を作成し、貴社の承認をいただきます。基本仕様書提出後2週間以内に諾否の返事をいただけない場合、基本仕様書の内容を承認いただいたものとみなします。基本仕様書を貴社から承認いただいた後に発注または製作を開始します(ただし、顧客仕様製品の製作は、1.6.4の詳細仕様書の作成後となります。)。また、基本仕様書を貴社に承認いただいた時点をもって基本仕様、金額および納期が確定するものとします。その後、貴社が仕様の変更を希望される場合は、別途1.6.5の仕様変更手続が必要となります。なお、見積仕様書により基本仕様を確定できていると当社が判断した場合は、基本仕様書の作成を省略します。この場合、貴社の承認の有無にかかわらず、見積仕様書が基本仕様書とみなされるものとします。
1.6.4 詳細仕様の確定
当社は、貴社との打ち合わせなどにより必要に応じて貴社承認の基本仕様書を詳細仕様に展開してシステム仕様書、機器仕様書、施工要領書、作業要領書等(以下、これらを「詳細仕様書」といいます)を作成し、貴社の承認をいただきます。詳細仕様書提出後2週間以内に諾否の返事がいただけない場合、詳細仕様書の内容を承認いただいたものとみなします。
1.6.5 仕様変更の手続き
a) 仕様変更の通知
基本仕様書または詳細仕様書の承認後、貴社がそれらの内容の変更を希望される場合、変更の内容を当社に書面により通知いただきます。なお、貴社からの連絡が基本仕様書または詳細仕様書の内容の変更を希望するものであると当社が判断した場合、当社は、その旨および当該仕様変更の内容を書面により確認させていただくことがあります。
b) 通知後の手順
当社は、仕様変更の通知後、仕様変更のために必要となる納期および費用の変更について貴社と協議するものとします。当該協議が合意に至った場合、貴社より合意内容を記載した注文書を発行いただき、当社がこれに対して発行した注文請書が貴社に到達することで仕様変更契約が成立するものとします。当該協議が継続している間、当社は、従前の基本仕様書および詳細仕様書に従いシステム構築、製作、役務等を継続します。貴社から書面による指示がある場合、当該協議中にシステム構築、製作、役務等を中断します。その場合、納期は自動的に延長され、中断のために必要となった費用は別途貴社に負担いただくものとします。
1.6.6 製品調達に関わる仕様変更
貴社承認の基本仕様書において確定した製品が、製品改廃、部品・材料調達問題により製品供給者より調達不可能となる場合があります。その場合、仕様変更により対処するものとし、その内容を貴社に書面により通知し承認を受けるものとします。
1.6.7 解約
貴社が本製品および本システムに対する契約の一部または全ての解約を希望される場合、書面により当社に通知いただくものとします。その場合、当社は貴社に対し、契約履行の進行度合いに基づいた解約料を申し受けます。解約料には、契約の解約により当社に生じた損害(当該契約により当社が得るはずであった利益のほか、当該契約が解約されるまでに当社が使った費用を含みますが、これらに限られません。以下本項において同じ。)の賠償が含まれるものとします。また、1.6.2に基づき貴社が分担する役割の遅延または不履行により契約の遂行が困難となり、または著しく遅延すると当社が判断した場合、当社より契約の全部または一部を解約することがあります。この場合も、契約履行の進捗度合いに応じ、解約料を申し受けます。なお、解約料には、契約の解約により当社に生じた損害(当該契約により当社が得るはずであった利益のほか、当該契約が解約されるまでに当社が使った費用を含みますが、これらに限られません)の賠償が含まれるものとします。
1.7 納入と検収
1.7.1 納入
a) 本製品および本システムは、当社における所定の検査に合格したのち、貴社指定場所に納入いたします。また、当社が現地においてソフトウェア作成を行う場合には、成果物を記録したメディアを貴社へ引き渡すことをもって納入といたします。メディア引渡しを伴わない場合には、当社より貴社へ書面により納入完了を通知いたします。
b) 本役務は、原則として貴社指定場所にて提供することをもって納入といたします。
1.7.2 検収
本製品および本システム納入後または役務提供後、貴社において、当社が納入した製品・システムまたは提供した役務が契約内容と合致していることを確認いただき、異議ある場合は書面により当社に通知いただきます。納入後または役務提供後1週間以内に異議の通知がない場合は、貴社にて異議なく検収されたものと見なします。
1.8 請求とお支払い
本製品および本システムの契約代金は、請求時の翌月末までに現金にてお支払いいただきます。また、契約内容による請求時期と請求金額の区分は下記の通りといたします。
a) 契約金額が5百万円未満の場合
請求時期は納入完了時とし、請求金額は契約金額全額といたします。
b) 契約金額が5百万円以上の場合
請求時期は契約時、中間時、納入完了時とし、請求金額は契約金額の各1/3といたします。なお中間時とは、契約時における納期(契約日から起算した納入完了日までの期間)の中間日をいいます。
c) 実費精算ベース契約の場合
上記a)および項b)項によらず、毎月20日締め切りで請求金額を計算し、当月末に請求いたします。
本役務のコンサルティング契約または年間保守契約の場合は、請求時期は契約時とし、請求金額は契約金額全額といたします。
1.9 梱包・輸送
1.9.1 費用
当社見積書、見積仕様書に梱包費および輸送費についての記載がない限り、契約金額に梱包費および輸送費は一切含まれておりません。
1.9.2 引渡し
本製品および本システムの引渡しは貴社指定場所での車上渡といたします。特に契約時に定めのない限り荷下ろし・搬入および据付工事は貴社で実施していただきます。
1.9.3 修理品および返品の輸送費
修理等のため、納入品を当社へ送り返される場合には、その輸送費用は、貴社負担といたします。
1.10 ドキュメント
特記事項なく当社見積書、見積仕様書に本製品および本システムに関わるドキュメントが含まれている場合、その提出については以下のとおりといたします。
1.10.1 基本仕様書および詳細仕様書の承認用写し
当社より基本仕様書および詳細仕様書の承認用写しを2部提出いたしますので、貴社において内容確認後、1部に捺印のうえ返却願います。ただし、当社標準製品および標準的な役務については提出を省略することがあります。
1.10.2 取扱説明書
各本製品に標準的に添付されているものを1部提出いたしますが、提携製品、購入品、購入代行品などの他社製品、および顧客仕様製品の一部については提出できないこともあります。なお、当社標準製品より作成した顧客仕様製品については、相当する標準製品の取扱説明書がある場合は、それを提出いたします。
1.10.3 検査成績書
検査成績書については、貴社要望事項に応じて別途有償による作成となります。事前に貴社要望事項を提示いただいた上、検査成績書の作成についての見積をご依頼ください。なお、提携製品、購入品、購入代行品などの他社製品ならびに当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品については、検査成績書を提出できないことがあります。
1.10.4 完成図・完成図書・その他特別な資料
完成図、完成図書その他特別な資料については、貴社要望事項に応じての別途有償による作成となります。事前に貴社要望事項を提示いただいた上、それらの作成についての見積をご依頼ください。
1.11 作業の中断と受入の延期
貴社都合により本役務の一時中断または延期あるいは本製品、本システムの貴社受入延期が発生した場合、中断・延期に関わる費用を別途申し受けます。この場合、第3章ないし第5章に定める保証期間は、当初の納入予定日から起算するものとします。
1.12 作業環境
当社側技術者の現地作業が必要な場合、適切な作業環境、技術者が必要とする貴社機材・労力・電力・用水・用地・建屋・通信施設等は無償で提供いただきます。また、必要に応じMSDS (Material Safety Data Sheets:化学物質安全性データシート)を提出していただくことがあります。なお、作業場所が爆発危険場所・放射線危険場所など危険場所の場合には、作業環境等に関わる条件を提示させていただきます。
1.13 予備品・消耗品
1.13.1 予備品
当社見積書、見積仕様書に予備品についての記載の無い限り、見積に予備品は一切含まれておりません。必要な場合には、貴社ご要求に応じて別途見積いたします。
1.13.2 消耗品
当社見積書または見積仕様書に消耗品についての記載がない限り、一部製品に標準として付属している消耗品以外については、必要となる都度別途発注いただきます。試運転調整時も含め必要となる消耗品は都度別途発注いただきます。なお、本製品に付属している消耗品は当社テストのために使用することがあります。
1.14 代替品
本製品の修理のために使用する代替品は、再生品を使用することがあります。
第2章 役務
本役務は、以下の各業務をいいます。
2.1 エンジニアリング
エンジニアリングとは、本システムの構築に必要な以下の役務をいいます。
2.1.1 システムエンジニアリング
基本仕様書および詳細仕様書の作成をはじめとするシステム設計、システムハードウェア構築、ソフトウェアおよびデータの実装、機能検査などを行います。
2.1.2 プロジェクト管理
工程管理、調達管理、構成管理などを行います。構成管理とは品質の維持を目的とする業務で、システムの各構成要素の識別とバージョン管理などを、ドキュメント作成を含めて行われます。
2.1.3 出荷前立会検査
上記2.1.1および2.1.2の各業務について、当社所定の検査の後、貴社立会の下での検査を実施することがあります。当社は詳細仕様書より立会検査要領書を作成し貴社の確認をいただきます。当社は確認いただいた立会検査要領書に従い貴社立会の下で検査を実施し、貴社に結果を確認いただきます。別途合意しない限り、立会検査は当社通常検査方式にて実施させていただきます。当社通常検査以外での検査を必要とされる場合、その内容・費用・実施可否について書面にて明確にした上で実施いたします。
2.2 工事
貴社の要求仕様を明確にし、役務範囲を確認したうえ、現地での機器設置、配線などの工事を行います。
2.3 試運転調整
下記の試運転調整役務を貴社の指示に従い個別に提供します。
2.3.1 現地据付調整
現地据付調整とは、現地据付工事後、本製品および本システムを出荷前検査時の状態に復元するための作業(点検調整、動作確認等)などを実施します。
2.3.2 現地総合テスト
現地据付調整後に各種システム機能のカスタムテストを実施します。ループチェック、シーケンステストなどテスト項目・内容・日程などを書面にて明確にした上で実施します。
2.3.3 運転立会
貴社における本システムの運転立ち上げを支援する作業で、支援範囲・日程・工数などを書面にて明確にした上で実施します。
2.4 コンサルティング
貴社からの委託により、以下のような役務を実施します。委託範囲、内容、貴社との役割分担等を書面により明確にした上で実施します。
2.4.1 フィージビリティスタディ
a) 調査と解析
貴社の現状業務、操業状態、プロセスなどの調査と解析を行い問題点と改善点を抽出します。
b) 提案
抽出された問題点もしくは改善点あるいは貴社要求事項に対するシステムの具体化提案を行い、効果の算出なども行います。
2.4.2 要求仕様書の作成支援
本製品および本システムに関する貴社の要求仕様等の作成を支援します。
2.5 技術支援
当社技術者による技術支援・相談業務などを内容・条件を書面にて明確にした上で実施します。
2.6 トレーニング
貴社要員の教育を実施します。製品トレーニング、アプリケーショントレーニング、保守トレーニングなどのコースがあります。
2.7 保守サービス
機器およびシステムの保守を行う業務であり、下記の契約形態があります。なお、保守サービスについては、あらかじめ文書で保守内容(期間、機種、台数、保守項目等)を決定します。
2.7.1 年間保守
年間を通じた契約をいただき、保守業務を提供するものです。
2.7.2 定期点検保守
計画的に行われる保全に対し、個別に契約いただき保守業務を提供するものです。
2.7.3 スポット保守
保守が必要な都度、個別に契約いただき保守業務を提供するものです。
第3章 当社ハードウェア製品の保証および顧客仕様ハードウェア製品の保証
本章は、1.2.1a)①に示す、当社標準ハードウェア製品、ならびに1.2.1b)に示す顧客仕様ハードウェア製品に適用いたします。ただし、当社標準ハードウェア製品または顧客仕様ハードウェア製品に含まれるソフトウェアは、その実装形態にかかわらず「第4章当社ソフトウェア製品の保証」の適用を受けます。
3.1 当社標準ハードウェア製品
当社標準ハードウェア製品の保証は「カタログ」または「スペックシート/Specification Sheet」または当社と貴社との間の契約等において別途記載がない限り、以下の内容となります。
3.1.1 保証内容
当社は、当社標準ハードウェア製品の品質が、注文書、基本仕様書および詳細仕様書に適合することを保証します。下記保証期間中に不適合が発見された場合、当社は、無償でその不適合を修理します。ただし、当該不適合が以下の事由による場合は、本項の保証対象から除外させていただきます。
a) 不適当な取扱いまたは使用
取扱い使用・注意事項からの逸脱、使用環境条件・保管環境条件からの逸脱、設計仕様を超えた使用など
b) 不適切な保守
塵埃・汚れの放置、異常状態の放置、紙詰まりの放置、部品または消耗品の消費放置、点検作業の放置など
c) 当社もしくは当社が委託した者以外による改造・修理・調整または部品交換など
d) 当社に責のない他の機器からの影響、およびその他の外部要因
e) 火災・水害・地震・落雷その他の天災地変
f) その他、当社の責任とみなされない要因
3.1.2 保証期間
保証期間は、貴社指定場所納入時から12ヶ月間とします。保証期間経過後の故障等の修理は有償となります。なお、第6章のシステム保証は、当社標準ハードウェア製品の保証期間中に期間満了となることがありますので、留意願います。
3.1.3 保守期間
保守期間とは、有償による故障等の修理およびオーバーホールに当社が対応し得る期間です。保守期間は当社標準ハードウェア製品ごとに定められますが、原則として当社が受注停止を決定した後5年間を標準とします。当社は保守期間中、貴社に有償で保守部品および消耗品を供給します。なお、当社は、当社の裁量で、貴社に通知することなく、当社標準ハードウェア製品の受注を停止できるものとします。
3.2 顧客仕様ハードウェア製品
顧客仕様ハードウェア製品の保証内容と保証期間は、当社標準ハードウェア製品と同一とします。ただし、修理に要する期間および保守部品の供給、製作の可否、費用に関してはその都度の協議とさせていただきます。また、顧客仕様ハードウェア製品の予備品の取得を条件とさせていただくことがあります。
第4章 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品の保証
本章は、1.2.1a)②に示す、当社標準ソフトウェア製品、ならびに1.2.1b)に示す顧客仕様ソフトウェア製品に適用します。当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品についての保証は、当社の「カタログ」または「スペックシート/Specification Sheet」また貴社と当社の間の契約等別途記載がない限り、以下の内容となります。
4.1 保証内容
4.1.1 保証内容
当社は、当社が指定するハードウェアにおいて当社が定めた条件下で使用される場合に、当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品がそれらの取扱説明書および詳細仕様書の手順どおりに機能することを保証します。ただし、貴社(または最終使用者)においていかなる環境下で使用されているかを問わず、下記事項の保証はいたしません。
a) 取扱い説明書に記載されていない使用方法または手順を満たすこと
b) 詳細仕様書に記載されていない使用目的または手順を満たすこと
c) ソフトウェアが中断することなく必ず実行し得ること
d) ソフトウェアにバグまたは誤りがないこと
e) ソフトウェアの誤りが必ず修正されること
f) 他のソフトウェアと相互干渉を起こさないこと
4.1.2 修復または交換作業
保証期間中、当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品について4.1.1の保証内容に適合しない箇所が発見された場合、当社は、無償でその不適合を修復し、または回避策を提示します。また、当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品の記録媒体について破損等の不適合が下記保証期間中に発見された場合、当社は、無償でこれを交換し、または修理します。ただし、これらの作業におけるインストール等のための現地作業費は、貴社に負担いただきます。また、これらの作業のため、本システムおよび関連するシステムまたは装置を一時的に停止し、または初期状態に戻していただくことがあります。
なお、不適合が以下の各号のいずれかに起因する場合は、保証の対象から除外させていただきます。
a) 当社の合意無く、新たなソフトウェアが本システムに追加された場合。
b) 当社の合意無く、本システムおよび関連するシステムの改変が行われた場合。
c) バージョンアップ、不適合回避処置など当社が提案した品質予防対策が実施されていない場合。
d) 不適合に関連する他ソフトウェアが適切に保守されていない場合。
e) 当該ソフトウェアを搭載するハードウェアが適切に保守されていない場合。
f) 当社の合意無く、当該ソフトウェアを搭載するハードウェアの移設・改変が行われた場合。
g) 取扱条件または注意事項からの逸脱、設計仕様を超えた使用など、不適当な取扱いが行われた場合。
h) 本システムを詳細仕様書に記載されていない目的に使用された場合。
i) 当社に責のない他システムからの影響、納入後混入したウィルス、その他の外部要因など、当社の責とみなされない要因があった場合。
4.2 保証期間
当社標準ソフトウェア製品、および顧客仕様ソフトウェア製品の保証期間は、貴社指定場所納入時から12ヶ月間であり、保証期間経過後の不適合補修は、インストール等の作業を含め有償となります。ただし、別途保証期間が定められているものについては、そちらが適用されます。なお、第6章のシステム保証は本保証期間中に期間満了となることがありますので、ご留意願います。
4.3 保守期間
当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品の保守期間とは、有償により当社がその不適合等の補修に対応し得る期間です。その期間は、当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品ごとに定められますが、原則として当社が各当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品の受注の停止を決定した後5年間です。なお、当社は、当社の裁量で、貴社に通知することなく、当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品の受注を停止できるものとします。また、当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品のバージョンアップが行われた場合、以前のバージョンのソフトウェア製品は受注停止となります。その後の保守対応については別途ご案内します。ただし、当社標準ソフトウェア製品につきましては、貴社と当社との間に保守契約が締結されていない場合、当社は、上記保守対応についての案内を行わない場合があります。また、顧客仕様ソフトウェア製品の保証期間後の保守については、個別の保守契約を別途締結し、そのなかで保守期間を定めるものとします。
第5章 提携製品、購入品、購入代行品および貴社支給品の取扱いと保証
本章は、1.2.1c)に示す提携製品、1.2.1d)に示す購入品、1.2.1e)に示す購入代行品および1.2.1f)に示す貴社支給品に適用します。
5.1 貴社支給品の納入と受入
貴社支給品は当社指定場所へ、貴社費用により納入されるものといたします。当社は貴社支給品納入後、速やかに受入検査を実施し、員数の過不足あるいは不適合がある場合には貴社に速やかに通知いたします。受入時における員数過不足または不適合およびその後に発見される不適合についての対応は、その都度貴社と協議するものとします。
5.2 管理
提携製品、購入品、購入代行品あるいは貴社支給品が当社納入を経て貴社に納入される場合、当社はこれらを十分なる注意のもと管理し、貴社へ納入するものとします。
5.3 使用承諾とソフトウェア使用許諾条件の同意
提携製品、購入品、および貴社支給品を本システム構築のために当社が使用する必要がある場合、当社は貴社の承諾を得ることなくこれらを本システムの構築作業に使用できるものとします。この場合、貴社は、当社が貴社または最終使用者に代わり、これら供給者(使用許諾者)の定めるソフトウェア使用許諾条件を受け入れることを貴社は同意するものとします。また、貴社支給のソフトウェアを当社が使用する場合、貴社が当該ソフトウェアの当社使用を許可できる権利を有していることを貴社は保証するものとします。
5.4 提携製品と購入品の保証
提携製品および購入品の保証内容、保証期間、保守期間、その他の条件は、これら製品の供給者または使用許諾者が規定するもの、もしくは、当社とこれらの製品の供給者または使用許諾者との間で約定したものを適用します。これらの製品についての保証責任を負うのは、当社ではなくその供給者または使用許諾者であるものとします。なお、当社がこれらの製品の使用条件を別途定める場合には、貴社が当該使用条件に従う場合にのみ、当該供給者または使用許諾者の保証責任が適用されます。購入品および提携製品の不適合が上記の各保証期間中に発見され、貴社がその供給者または使用許諾者に対し、保証責任の履行を求める場合には、当社が貴社に代わりその交渉を行います。ただし、交渉のための費用は、貴社の負担とします。なお、購入品および提携製品の保証期間の算定は、供給者または使用許諾者が当社にこれらの製品を納入したときに開始することがあります。そのため、当該購入品および提携製品の保証期間が第6章のシステム保証期間中に満了することがありますので、ご留意願います。購入品および提携製品についての当社の責任は、別途書面で定める場合を除き、本章および第9章の定めがそのすべてとなります。
5.5 購入代行品と貴社支給品の保証
購入代行品および貴社支給品の保証責任は、その供給者または使用許諾者が負担するものとします。購入代行品および貴社支給品に関する当社の責任は、当社内でそれらの製品を管理することをもって、そのすべてとします。また、当社の責によらず貴社支給品に障害が発生した場合、または貴社支給品の使用により本システム等の構築に支障が発生した場合、当社は、貴社の負担により貴社支給品を修理または代替品に交換するものとします。また、この場合の原因の調査費用も貴社の負担とします。
第6章 システムの保証
本章は、1.2.3に示す本システムに対する保証を規定します。
6.1 保証の内容
本システムに対する保証期間を「システム保証期間」といい、当社は、システム保証期間中、本製品および本システムがその供給者(当社を含みます)の定める使用条件の下で稼動していることを条件に、本システムが貴社承認のシステム仕様書に適合していることを保証します。本システムについての保証は、別途書面で定める場合を除き、本基本条件記載の内容がそのすべてとなります。
6.2 システム保証期間
システム保証期間は本システムの製品納入完了後12ヶ月間です。ただし、納入完了前に本システムを業務のため使用開始した場合、システム保証期間は、その業務使用開始日から12ヶ月間となります。
6.3 システム保証サービス
6.3.1 システム保証サービスの内容
本システムに障害が発生した場合、当社は、当該障害について速やかに通知いただくことを条件に、下記の手順でシステム保証サービスを提供します。
a) 一次対応
貴社からの障害情報が、システム仕様に対する不適合に該当するか否かの判定を行います。システム仕様に対する不適合と判定された場合、当社事業所において貴社からの障害情報により不適合箇所の特定作業を行い、その結果を貴社に連絡いたします。
b) 現地派遣
上記の一次対応だけでは不適合箇所の特定が困難な場合、当社要員を現地に派遣し不適合箇所の切り分け作業を実施いたします(以下「切り分け作業」といいます)。要員派遣までの時間は、原則として貴社からの通知を受けた後、3営業日以内とします。
6.3.2 サービス時間帯
システム保証サービスの受付時間および作業時間は、祝祭日および当社休日を除く月曜日から金曜日の9:00~17:00とします。
上記時間外のシステム保証サービスについては別途費用を申し受けます。
6.3.3 切り分け作業の費用負担
不適合箇所の切り分け作業に要する費用負担は次のようになります。
a) 無償となる場合
不適合箇所が本製品に起因するものであって、不適合の発生が当該製品の保証期間中である場合、下記b)のいずれかに該当する場合を除き、前項のサービス時間帯における切り分け作業は、無償とします。
b) 有償となる場合
以下のいずれかに該当する場合は、切り分け作業に要した費用は有償とさせていただきます。
- 不適合箇所が当社標準製品および顧客仕様製品以外の製品に起因する場合。
- 不適合箇所が当社標準製品または顧客仕様製品に起因するが、それらの製品の保証期間経過後である場合。
- 当社の合意なく本システムおよび関連するシステムの改変または追加が行われた場合等、不適合が当社の責によらない場合。
- 不適合が当社の提案した品質予防対策が実施されていないことによる場合。
- 不適合が本システムまたは関連システムの不適当な取扱いまたは保守に起因する場合。
- 不適合が本システム外部の要因による場合。
- その他当社に責のない要因による場合。
- 貴社からの障害情報がシステム仕様に対する不適合に該当しないと一次対応において判定された場合。
6.3.4 不適合箇所が特定された場合の対応
切り分け作業で不適合箇所が特定された場合の対応は以下のとおりとなります。
a) 当社標準製品または顧客仕様製品に起因した不適合の場合、前章までの規定に従い、不適合対応を行います。
b) 不適合が提携製品、購入品、購入代行品または貴社支給品に起因する場合、当該提携製品、購入品、購入代行品または貴社支給品について5.4または5.5に従って対応します。ただし、合理的期間内に当該提携製品、購入品、購入代行品または貴社支給品を入手できない場合、貴社の費用負担によりシステム変更を実施していただき、これをもって不適合対応とすることがあります。
c) 詳細仕様書に当社の故意または重大な過失による不備があり、不適合がその不備に起因している場合、当社負担で不適合についての対応を行います。ただし、貴社が当該不備を知りながら当社に通知しなかった場合または貴社が当該不備を知るべきであった場合は、この限りではないものとします。
d) 回避策の実施により障害を回避できる場合、その回避策の提示をもって不適合対応とさせていただくことがあります。
6.3.5 不適合箇所を特定できない場合
不適合箇所を特定出来ない場合、貴社と当社は対策を協議いたします。協議の結果、システム変更等による対応が必要とされる場合、その対応については有償での実施とさせていただきます。
6.3.6 その他
a) a)切り分け作業についての協力
不適合箇所の切り分け作業のため、本システムの停止または障害の再現を試みることが必要となることがあります。そのため、本システムもしくは関連するシステムまたは貴社設備の一時停止・再起動などの協力を貴社にお願いすることがあります。
b) システム再立ち上げ
不適合を修復した後、本システムの再立ち上げとデータの復旧が必要になることがありますが、これらの作業は貴社の範疇とします。当社がこれら作業を代行する場合は、有償作業となります。
c) 構成管理
本システムの構成管理は当社基準により実施いたします。当社の合意無くシステムの改変・追加が行われた場合、当社は本システムの構成管理責任を負わないものとします。また、システム保証サービス実行にあたり、当社の責によらず本システムの再構築が必要となった場合、再構築に要する費用を別途請求させていただくことがあります。
6.4 保証期間中の保守補強
システム保証期間中であっても、上記システム保証サービスを超える保守サービスをご希望の場合、その内容、費用等は別途協議させていただきます。
6.5 保証期間満了後の保守
システム保証期間満了後は、別途締結する契約に基づいて保守サービスを提供いたします。ただし、システム保証期間満了後に発見された障害が詳細仕様書の不備に起因する場合、それについての対応は、システム改造の要望として取り扱い、保守サービスの対象外とします。
6.6 スポット保守
システム保証期間においてシステム保証サービスを超える保守サービスを別途の契約なくして提供した場合、またはシステム保証期間満了後に保守契約を締結することなく保守サービスを都度依頼された場合、これらの保守サービスについては所定のスポット保守サービス料を申し受けます。
第7章 本役務についての保証
1.2.2に示す、エンジニアリング、工事、試運転調整、コンサルティングその他の本役務の結果により貴社が損害を被ったとしても、当社に故意または重大な過失がない限り、当社の責任は生じないものとします。ただし、保守サービスの保証については、第8章によるものとします。
第8章 保守サービスの保証
本章は、1.2.2g)に示す当社による保守サービスに適用されます。
8.1 保証内容
当社は、当社の保守サービスに起因する故障が下記保守サービス保証期間中に発見された場合、無償でその修繕を実施します。ただし、当該故障が以下のいずれかに該当する場合は、除外いたします。
a) 不適切な取扱いまたは使用
取扱条件または注意事項からの逸脱、使用環境条件または保管環境条件からの逸脱、設計仕様を超えた使用等
b) 不適切な保守
塵埃または汚れの放置、異常状態の放置、紙詰まりの放置、消耗品の消費放置、日常点検の放置等
c) 当社の保守サービスで発見された部品故障を貴社の都合で修復しなかった場合
d) 当社の保守サービスで実施した機器もしくは機器内部の部位以外で発生した不適合
e) 当社もしくは当社が委託した者以外による改造または調整
f) 当社に責のない他の機器からの影響、およびその他の外部要因
g) 火災、水害、地震、落雷その他の天災地変
h) その他、当社の責任とみなされない要因
8.2 保守サービス保証期間
保守サービス保証期間は、保守サービスが完了してから3ヶ月間であり、当該期間経過後の修繕は有償となります。なお、お客様の立会にて役務完了が確認された場合は、それ以後の保証期間を無効とさせていただきます。
第9章 一般条項
9.1 秘密保持
貴社および当社は、相手方の書面による承諾なくして本製品、本システムおよび本役務の見積または本基本条件に基づく契約に関連して知り得た相手方の技術上および営業上の一切の情報(以下「秘密情報」といいます。)を、その秘密情報を知ったときから5年間、本件製品等の見積またはこれに基づく契約の履行の目的以外に使用せず、第三者に対して開示または漏洩しないものとします。なお、貴社および当社は、秘密情報を相手方に開示する場合には、原則として書面または口頭により秘密である旨の表示を行うものとします。
ただし、次のいずれかに該当する情報は秘密情報から除くものとします。
a) 情報を開示した当事者(以下「開示者」といいます。)が開示を行った時点で既に公知のもの
b) 開示後情報を受領した当事者(以下「受領者」といいます。)の責によらずして公知となったもの
c) 開示者が開示を行った時点で既に受領者が保有しているもの
d) 受領者が第三者から秘密保持義務を負うことなく正当に入手したもの
e) 開示者からの開示以降に受領者が独自に開発したもので、相手方からの秘密情報によらないもの
9.2 製品のトレードシークレット保護
9.2.1 機密保持義務
本製品および本システム、またはこれらの関連資料に含まれている技術およびノウハウは当社または当社に対し権利を与えている第三者の固有財産もしくは営業秘密です。貴社および最終使用者はいかなる理由においても、開示目的に照らして当該技術またはノウハウを知る高度の必要性がある自己の従業員以外の第三者にこれらを開示または漏洩しないものとします。
9.2.2 リバースエンジニアリング
当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品に関するリバースエンジニアリングは禁止とさせていただきます。リバースエンジニアリングとは、ソフトウェアプログラムおよびソフトウェアに関する資料を、調査、分析、解析して、技術情報を抽出することをいいます。ソフトウェアプログラムを逆コンパイル、逆アセンブル、その他の方法により人間が読みとり可能な形式にすることもリバースエンジニアリングと見なされます。
9.3 知的財産権
9.3.1 産業財産権帰属
本製品、本システムおよび本役務に関わる契約履行の過程で生じた発明、考案、意匠、回路配置およびノウハウ(以下「発明等」といいます。)に関する特許権、実用新案権、意匠権、回路配置利用権(特許、実用新案登録、意匠登録、回路配置の登録を受ける権利を含みますおよびノウハウの使用権(以下「産業財産権」といいます。)の帰属については、以下のとおりとします。
a) 貴社が当社から開示を受けた情報によらずして単独で創作した発明等についての産業財産権については、貴社に単独で帰属するものとします。
b) 当社が単独で創作した発明等に関する産業財産権については、当社に単独で帰属するものとします。
c) 貴社および当社が共同で創作した発明等に関する産業財産権については、その都度協議し、取扱いについて決定するものとします。
9.3.2 産業財産権の実施許諾
当社が従前より保有する産業財産権等を本製品および本システムに適用した場合、および本章9.3.1 b)により当社に帰属する産業財産権が生じ、これが本製品および本システムに適用されている場合には、当社は貴社に対し、当該産業財産権について、貴社または最終使用者が自ら本製品および本システムを使用するために必要な範囲で、無償かつ譲渡不能の非独占的通常実施権を許諾するものとします。
9.3.3 著作権の帰属
本製品、本システムおよび本役務についての契約に関して生じた著作物に関する著作権の帰属については、別段の定めがない限り以下のとおりとします。
a) 新規に作成された成果物
新規に作成された成果物の著作権については、当社に帰属するものとします。
b) 貴社または当社が従前から著作権を有していた著作物
貴社または当社が従前から有していた著作物の著作権については、それぞれ貴社または当社に留保されるものとします。
9.3.4 契約にいたらなかった見積仕様書
当社が作成する見積仕様書は、当社の秘密情報です。貴社へ見積仕様書を提出後、契約の締結に至らなかった場合、当該見積仕様書は当社へ返却願います。
9.4 ソフトウェアについての使用許諾
当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品の使用は、下記条件の下で許諾されるものとします。 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品には、ソフトウェアプログラムをはじめ、データ、画像・音声、関係書類なども含まれるものとします。
a) 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品についての実施許諾は、譲渡不能かつ非独占的なものです。
b) 当社標準ソフトウェア製品または顧客仕様ソフトウェア製品の使用に際しては、製品毎に締結されるソフトウェア使用許諾契約を遵守いただきます。当該ソフトウェア使用許諾契約は、当社と最終使用者との間で締結されるものとします。
c) 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品は、当社の指定するコンピュータにのみ使用できるものとします。当社が別途書面で合意した場合を除き、当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品は他のコンピュータで使用できないものとします。
d) 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品ならびにその関連資料の一部もしくはそのすべてを、貴社および最終使用者は複製、修正および翻案できないものとします。
e) 当社標準ソフトウェア製品および顧客仕様ソフトウェア製品ならびにその関連資料は、第三者へ譲渡、貸与、賃貸および転売できないものとします。
9.5 占有権、所有権、危険負担の移転
9.5.1 占有権の移転
本製品および本システムに対する占有権は、本製品および本システムを貴社指定場所に納入した時点で貴社に移転するものとします。
9.5.2 所有権の移転
本製品および本システムのうち当社標準ハードウェア製品および顧客仕様ハードウェア製品についての所有権は代金の完済をもって貴社に移転するものとします。
本製品および本システムの不適合品の所有権は、当社が代替品と交換した時点で当社に移転するものとします。
9.5.3 危険負担の移転
本製品および本システムを貴社指定場所に納入後は、貴社が責任をもって当該製品を保管および管理していただくものとします。本製品および本システムの危険負担は、納入時をもって貴社に移転するものとします。
9.6 最終使用者でない場合の義務
貴社が本製品および本システムの最終使用者でない場合、貴社は、最終使用者をして当社とソフトウェア使用許諾契約を締結させるものとし、かつ、貴社の責任により当該ソフトウェア製品が保存された媒体を最終使用者に交付し、または当該ソフトウェア製品の電子データを最終使用者に送信するものとします。この場合において、貴社は、最終使用者に対して本基本条件を提示し、これを遵守させるものとします。また、提携製品・購入品・購入代行品など第三者製品に関しても、各製造元の指示に従い必要な対応を貴社の責任により行っていただくものとします。
9.7 特許権、著作権の侵害
9.7.1 通知義務
本製品、本システムおよび本役務に関し、貴社が第三者から特許権および著作権その他の知的財産権に基づき使用差止め、提訴、損害賠償請求等(以下「知的財産権侵害クレーム」といいます。)を受けた場合には、書面により速やかにその内容を当社に通知していただきます。
9.7.2 権限の委譲
当社は、貴社より知的財産権侵害クレームへの対応の決定権限のほか、これに必要とされる十分な情報と援助を貴社よりいただいた場合に限り、当社の費用負担によりこれらの知的財産権侵害クレームへの対応を行い、当社の責任において処理および解決するものとします。
9.7.3 当社の対応
当社は知的財産権侵害クレームまたはその恐れがあると判断した場合、当社の費用で下記のいずれかの処置をとらせていただきます。
a) 本製品、本システムおよび本役務を継続して使用するための権限を取得すること
b) 当該知的財産権の侵害を回避できるような製品または役務へと交換すること
c) 当該知的財産権を侵害しないように製品の設計または仕様を変更すること
9.7.4 損害の賠償
本章 9.7.3の対応を行えない場合、当社は当該製品に対し既にお支払いただいた金額を限度として損害を賠償するものとします。
9.7.5 免責
本章 9.7.1 ないし9.7.3の定めにかかわらず、知的財産権侵害クレームが貴社の指示に起因する場合その他貴社の責に帰すべき事由に基づく場合、当社は当該知的財産権侵害クレームに対応する責任を負わないものとします。
9.8 契約の解除および譲渡
9.8.1 契約の解除
貴社または当社が以下の各号のいずれかに該当した場合、相手方は何らの通知、催告を要せず直ちに本契約の全てまたは一部を解除出来るものとします。また以下の各号のいずれかに該当した当事者は、相手方に対し、弁済期が未到来であるものも含め、自己が負担する一切の債務を直ちに弁済するものとします。
a) 自己の振り出した手形または小切手が不渡りとなったとき、支払停止、支払不能もしくは債務超過に陥ったとき、銀行取引停止処分を受けたとき、その他信用の著しい低下があったとき、またはこれらの事由が生じることが予想されるとき
b) 差押え、仮差押、仮処分、競売もしくは強制執行の申立てを受けたときまたは公租公課の滞納処分等を受けたとき
c) 破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始等の申立てがあったとき、その他事業規模縮小等により相手方への債務の履行が困難と認められるとき
d) 解散または営業の全部もしくは重要な一部を第三者に譲渡しようとしたとき
e) 監督官庁から営業の取消、停止等の処分を受けたとき
f) 相手方の承諾なく本基本条件および両当事者間の契約の当事者としての権利や義務を第三者に譲渡し、または第三者のために担保に供したとき
g) 民法第542条第1項各号のいずれかに該当するとき
h) 本基本条件に違反し、相当期間を定めた催告後も当該違反が是正されないとき
9.8.2 契約を解除した場合の損害賠償
貴社または当社が前項に基づき解除権を行使した場合でも、解除した当事者は、相手方に対し、9.9.1に基づいて損害賠償を請求することを妨げられないものとします。ただし、損害の発生について、相手方の責めに帰すべき事由がない場合はこの限りではありません。また、提携製品、購入品、購入代行品または貴社支給品につきましても、各製造元の指示に従い必要な処置を貴社の責任により行っていただくものとします。
9.8.3 契約の譲渡
貴社および当社は、相手方の書面による承諾なく、本基本条件に基づく契約の当事者としての権利や義務を第三者に譲渡または担保に供しないものとします。
9.9 責任
9.9.1 債務不履行等による損害賠償
貴社および当社は、本基本条件、または契約に別途規定がない限り、本製品、本システムおよび本役務関する契約に基づく債務の不履行または本章9.8.1a)からe)までのいずれかに該当したことにより相手方に損害を与えた場合には、貴社および当社においてその損害額について協議のうえ、当該契約の解除の有無にかかわらず、損害発生の直接原因となった本製品、本システムおよび本役務に対する代金相当額を限度として賠償責任を負うものとします。ただし、当事者の責に帰すことができない事由から生じた損害のほか、特別の事情から生じた損害(当事者の予見の有無を問いません。)および逸失利益等の間接損害、ならびに、本システムのウイルス感染や本システムへの不正アクセス等、当該契約に関する書類においてセキュリティ対策について記載した事象により発生した損害については、賠償責任を負わないものとします。
9.9.2 不適合による損害賠償
本製品、本システムおよび本役務に当社の責に帰すべき事由による不適合がある場合、当社は本基本条件に従いその不適合対応を行います。また、当社がそれらの不適合対応を本基本条件どおりに行わない場合、本基本条件または別途契約で定めない限り、貴社および当社においてその損害額について協議のうえ、当社は、損害発生の直接的な原因となった本製品、本システムおよび本役務に対する代金相当額を限度として賠償責任を負うものとします。ただし、当社は、当社の責めに帰すことができない事由から生じた損害のほか、特別の事情から生じた損害(当社の予見の有無を問いません。)および逸失利益等の間接損害、ならびに、不適合対応のために本システムを停止し、または初期状態に戻したことによる損害については、賠償責任を負わないものとします。また、本製品、本システムについて当社の事前の書面による承諾なく改変が行われた場合、または本製品、本システムが基本仕様書または詳細仕様書等において当社が指定した使用条件から逸脱して使用されていた場合には、当社は当該製品による損害を賠償する責任を免れるものとします。本項により当社が責任を負う期間は、本製品、本システムおよび本役務の保証期間内とします。
9.9.3 製造物責任
1.2.1製品区分に示した、a)当社標準製品、b)顧客仕様製品、ならびにc)提携製品およびd)購入品で当社が直接輸入したものの欠陥(製造物責任法第2条の「欠陥」をいいます)を理由に貴社が第三者から、クレーム・損害賠償等の請求を受け、製造物責任法上の製造物責任を追及された場合、貴社が直ちにその旨を当社に書面で通知していただくこと、ならびにこれら請求に対する全ての防御・交渉権を付与していただくことを条件に、当社は自己の責任と費用によりこれらの第三者と交渉し、必要に応じ当該第三者の損害を賠償するものとします。この場合、貴社は当社に対し十分な情報提供等の協力をしていただきます。
9.10 免責事項
当社は、天災地変(火災、地震、風水害、落雷、公害等を含みますがこれらに限りません。)、疫病(感染症を含みますがこれらに限りません。)、戦争、内乱、暴動、労働争議、建物閉鎖、電気・ガス・水道等の供給停止、通信回線上の機能障害、輸送機関の事故、交通渋滞、法令の制定・改廃、公権力による命令または要請、公衆衛生による緊急事態その他当社の責に帰すことのできない事情によって、本製品、本システムの納入または本役務の提供が遅れるまたはできない場合があります。なお、この場合であっても、当社は、本製品、本システムの納入または本役務の遅延または不能による責任を何ら負わないものとします。
9.11 輸出
本基本条件は、本製品、本システムの最終需要地が日本国内の場合にのみ提供されます。納入後、本製品、本システムが輸出される場合、当社は本基本条件その他の契約上および法律上の義務および責任の一切を免除されるものとします。また、貴社は,本製品および本システムの輸出に際し,直接,間接を問わず,核,化学・生物兵器およびミサイル等大量破壊兵器および通常兵器ならびにこれらの製造設備等の関連資機材等の拡散防止の観点から,日本国「外国為替及び外国貿易法」ならびにアメリカ合衆国「輸出管理改革法」その他国内外の関係する法律,規則,規格等を遵守し、自らの責任において必要な輸出許可等を取得するものといたします。
9.12 管轄裁判所
本基本条件および両当事者間の契約に関して生ずる訴訟については、当社の本店所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
9.13 誠実協議
本基本条件および両当事者間の契約に定めのない事項については、その都度貴社と当社が誠意をもって協議し円満に解決するものとします。この場合において、貴社または当社は、相手方の求めがあるときは、当該協議を行う旨の合意を書面または電磁的記録にて行うものとします。
以上
制定 2020年12月1日
ATS-B-003-00